とり年にちなみまして・・・

  • 新年最初の部活です。今年はとり年ということで、新年一発目から、いきなりニワトリの解剖を行いました。前日に、血抜きして羽をむしった状態のニワトリを鶏肉屋さんで購入しておきました。ノロウイルスへの感染、胃腸炎の心配から、残念ながら、「解剖後にから揚げにして食べよう!」という計画はもろくも崩れ去りました。しかし、解剖するだけでも十分に楽しめました。


*これ以降はショッキングな説明&画像が続きますので、気をつけてご覧ください。

  • 解剖手順
    1. 解剖を始める前に、ラップをバットにはったものを2枚用意し、一方にニワトリを入れます。もう一方は、切り取った部位を入れる用です。解剖器具は、キッチンバサミと解剖バサミとピンセットとメスを用意しました。
    2. まず最初に、バットの中に置かれたニワトリの普段見られないくちばしの中身やまぶたなどを、へぇ〜そうなってんねんやぁ、と興味深く観察しました。
    3. それから、仰向けに寝かせて、おなかを上にして、切り開いていくのですが、脚が邪魔になるので、両脚の股関節を脱臼させてから、両脚を背中側に折り曲げて切り取りました。皮を切りながら行うとやりやすかったです。
    4. 次に、皮が邪魔になるので、メスやハサミで皮をはがしていきました。カーディガンを脱ぐように簡単に皮がはがれていきました。すると、皮にかくれていたきれいなむね肉がすがたを現しました。
    5. むね肉にメスを入れ、切り取ると、その奥には、美しいすじが入ったササミが現れました。
    6. ササミも切り取ると、内臓をおおう肋骨があります。内臓を傷つけないようにハサミで肋骨と肋骨の間の膜を切っていきます。
    7. そして、胸の前の中心にある胸骨を握って、頭の方へ折り曲げます。すると、バキッと首元で骨が折れて、肋骨がはがれて内臓がすがたを現します。内臓の周りには脂肪がたくさんまとわりついていした。観察するとき邪魔になるので、腸を傷つけないように慎重に脂肪を除去しました。
    8. 内臓で一番大きくて赤黒く目立つのが肝臓です。レバーのことです。レバーには緑色の袋がついています。肝臓でつくられた胆汁をためておく胆のうです。胆汁が緑色をしているので胆のうも緑色に見えます。
    9. それから、首に近いところにある心臓を切り取って、心臓から出ているぶっといパイプみたいな血管を観察しました。ストローの蛇腹みたいな感じでした。4本あって、それぞれ大動脈・大静脈・肺動脈・肺静脈のどれかだとは思いますが、どれがどれかまではわかりませんでした。さらに心臓を縦にスライスして心房・心室を確認しました。
    10. 次に、赤黒い球体の臓器を確認しました。血球を分解する脾臓です。
    11. それから、食道からつながる胃のはたらきをする前胃とさのうを確認しました。前胃は消化液が分泌されて食べたものと混ぜ合わされる部分です。ニワトリは歯がないので、食べたものは胃の中ですりつぶされます。そのすりつぶす作用をするのがさのうです。さのうは別名砂肝やずりと呼ばれる部分です。さのうだけを切り取り、さらに真ん中で真っ二つに切り、内容物を水道で洗い流してさのうの内側をさわってみると、ザラザラした感触がしました。そのザラザラで食べたものをすりつぶすんです。
    12. 次に、脚の関節の部分をキッチンバサミで切断すると、白いヒモが見えます。けんです。けんを引っ張ってみると、ニワトリの指先がグーパーグーパーと広がります。
    13. 最後に、目の中の水晶体を取り出して、新聞紙の字の上にのせて字を拡大させてみました。
    14. 観察が終わったら、後片付けと掃除をします。



休み明けは恒例のお土産配布会です。



では、これからはじめます!



ハサミで脚の付け根の皮を切っているところです。



脱臼させて関節にハサミを入れて、脚を切り取っていきます。



むね肉きれいでしょ?



むね肉を切り取っていくと、ササミも現れました。



脚と羽とむねの肉が切り取られて、内臓が観察しやすい状態になりました。



各臓器を1つ1つ確認しながら、メスで慎重に切り取っていきました。
指先にある大きく広がっているのが肝臓(レバー)です。
緑色の袋が胆のうです。
真ん中の白と紫色をした大きなかたまりがさのう(砂肝・ずり)です。
さのうにつながっている管が腸です。



けんを引っ張ってグーパーするのを確かめています。
こわいけど、なんかおもしろーい!



最初は高校生の先輩に頼ってばかりだったのですが、最後は中学生もできるようになりました!



目の中の水晶体を取り出して新聞の上に置くと、文字が大きく拡大されて見えます。