- 「試験管内に星を降らせよう!(塩化アンモニウムの再結晶化実験)」と「水をつまもう!(巨大人工イクラ制作実験)」を行いました。塩化アンモニウムの実験では、塩化アンモニウム飽和水溶液を50℃で作って試験管に入れ、室温で徐々に冷えて現れてくる結晶を観察しました。かわいい星形をしていました。試験管の口にゴム風船をかぶせて上から懐中電灯をスポットで当てると、試験管がゴム風船のピンク色や黄色に照らされてさらにきれいに見えました。人工イクラの実験では、アルギン酸ナトリウム水溶液を乳酸カルシウム水溶液の中に入れて、両者が反応して液の表面で膜を作ります。今回は、乳酸カルシウム水溶液を多めに用意し、もう一方は、食紅で着色したアルギン酸ナトリウム水溶液を用意しました。大きなビーカーに入れてある乳酸カルシウム液の液面に、アルギン酸ナトリウム液を入れた小さなビーカーを近づけてそっと流し込みます。すると、アルギン酸ナトリウム液のかたまりが乳酸カルシウム液の中にできます。かたまりが割れないようにしばらくゆっくりとガラス棒でかき混ぜます。そうすることでだんだんと膜が厚くなっていきます。できたかたまりを手でつまんでビーカーから取り出して、手のひらにのせてみると、得体の知れない生物の内臓のような見た目と感触に悲鳴を上げつつも、みんな楽しんでいました。
- 試験管内に星を降らせよう!
材料:塩化アンモニウム、電熱器、ビーカー、メスシリンダー、上皿天秤、試験管、試験管立て、風船、懐中電灯、湯沸かしポット
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- 水110mlに塩化アンモニウム50gを入れ、電熱器で約50℃に加熱して完全に溶かします。
- 口径18mmの試験管5本に取り分けます。フタとして風船をかぶせます。
- 試験管立てで静置します。バックに黒っぽい紙を立てて見やすくします。
- 水溶液が冷めてくると、小さな結晶が再結晶し始めます。
- 星形をした結晶が、徐々に大きくなりながらドンドン降り積もっていきます。
- しばらくすると、結晶化するときの凝固熱で試験管内に対流が起こり、星が下から上へと湧き上がるように動く様子が観察されます。
- 水面直下では、下向きに結晶が成長していきます。
- 部屋を暗くして風船の上から懐中電灯で照らせば、ゴム膜の色が透過して、試験管内がピンクや緑色の世界に変わります!
- 水をつまもう!
材料:アルギン酸ナトリウム、乳酸カルシウム、ガラス棒、ビーカー、食紅、さじ、(マグネチックスターラー)
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- アルギン酸ナトリウム1gを水200mlに溶かします。溶けにくいので、時間をかけてマグネチックスターラーやガラス棒を使って溶かしました。
- 溶けたら、いろいろな色の食紅をそれぞれのビーカーに少量ずつ入れたものに取り分けます。
- 同時並行で、乳酸カルシウム5gを水800mlに溶かします。
- アルギン酸ナトリウム水溶液の入ったビーカーを乳酸カルシウム水溶液の水面ギリギリまで近づけてそっと全量流し込みます。
- 色水のかたまりができます。すべてのビーカーの水溶液をそれぞれくっつかないように気をつけながら流し込みます。
- ガラス棒でしばらくゆっくりとかきまぜて膜を厚くしていきます。
- アルギン酸ナトリウム水溶液がかたまりになる理由は人工イクラと同じです。アルギン酸カルシウムの膜ができて内部にアルギン酸ナトリウム水溶液が閉じ込められるからです。
- できたかたまりを手のひらにとってみて、何とも言えない感触を味わいました。
塩化アンモニウムが容器内で固まっていてなかなか取り出しにくかったです。
薬さじで少しずつガリガリ削ってなんとか取り出せました。
せっかくなんで、結晶実験を中学生のセットと高校生のセットの2つすることにしました。
溶けた液を試験管に取り分けます。
モタモタしていると結晶ができてしまうし、急ぎすぎたらこぼれちゃうしで、あせりました。
風船をかぶせるのに時間がかかりましたが、その間にすでに結晶が出てきています。
2グループ計10本の試験管が並びました。
10人のこびとみたいな感じでしょ?
部屋を暗くして懐中電灯で照らしてみました。
光が横に広がってしまって、風船の色がわかりませんでした。
懐中電灯の先を小さい穴をあけた紙でおおい、試験管の上から照らしてみると、風船の色がきれいに見えました!
結晶が黄色く照らされて光っています。
電気を明るくして今度は近づいてみてよく見てみました。
すると、星の形をした結晶が1つ1つ確認できました。
次に、水をつまもう!の実験です。
マグネチックスターラーを使って、薬品を水に溶かしましたが、なかなか溶けてくれませんでした。
色付けしたアルギン酸ナトリウム水溶液を乳酸カルシウム水溶液に入れて、固まるようにしばらくかき混ぜました。
いびつな形の巨大人工イクラがビーカーの中でうごめいています。