- 蛍池の豊中市教育センターで行われた科学教室に参加しました。内容は「煮干しを解剖しよう!」です。いつもの一対一で説明するスタイルと違って、今回は講義形式で、実験室に集まった参加者全員に向かって一斉に説明を行いました。中学生は緊張してしまって思うようにうまく説明できませんでしたが、高校生の先輩はさすがに堂々と説明していました。経験が大事ですね。実験自体は、小学生と保護者の方々みなさん、楽しく興味をもって取り組んでくれました。普段、家の人が煮干しを使ってお料理をするところは見たことがあっても、煮干し自体をじっくりと観察することはなかったと思うので、目からウロコ(煮干しだけに…)の経験をしてもらえたかと思います。短い時間でしたが、いろんなことがこの解剖実験から学べて、みんな喜んでいました。わたしたちの説明に対して拍手をしていただいたり、お礼をいっていただいたり、とてもうれしかったです!またこれを励みにさらにがんばっていこうと思います。ありがとうございました!
- 実験の手順
1.シャーレに入れた煮干し全体をルーペを使って観察します。
2.ピンセットの先っちょをえらぶたに入れて煮干しの顔の皮をめくります。
3.煮干しの頭部の内部構造が姿を現します。
4.ピンセットかつまようじを使って煮干しの口を開かせます。
5.口の中にはさいはとよばれる白いはねのような構造が見られます。飲み込んだ海水中に混じっているエサのプランクトンがひっかかるようになっています。
6.さいはと逆向きについている茶色のはね状のものはエラです。飲み込んだ海水中に含まれる酸素をここから取り入れます。
7.次に、頭の方からピンセットを入れて胴体の身をつまんではがします。
8.はがした身は筋肉です。はがすと、背骨が頭から尻尾まで伸びているのが見えます。
9.お腹側には内臓がかたまってあります。
10.頭の方から尻尾の先に向かって、心臓→肝臓→幽門垂→腸が観察できます。
11.肝臓と幽門垂をはがしてやると、その中に食道と胃があります。胃は黄色くて丸くて固い構造をしています。
12.煮干しから切り出した胃をさらに解剖ばさみで切ります。
13.胃の内容物をつまようじの先でほじくりだしてルーペで見ます。
14.ルーペではわかりにくいので、顕微鏡で胃の内容物を観察してみます。
15.植物プランクトンや動物プランクトンが見られるので、煮干しは海でプランクトンを食べて暮らしていたということがわかります。
- スケジュール
10:00 阪急蛍池駅改札前集合・出発
10:05 豊中市教育センター到着
10:10 実験準備開始
11:00 科学教室(午前の部)スタート
12:10 休憩
13:30 科学教室(午後の部)再開
14:40 科学教室終了・片付け
15:25 会場出発
15:30 蛍池駅解散
ルシオーレのお店の間を抜けて会場へ向かいます。
早速、準備に取り掛かります。
まずはいい煮干し選びからです。
頭がとれていたり、小さかったり、破損がひどいものは実験材料から外します。
みんな頭が上を向いていて苦しそうで、ちょっとこわかったです。
胃の内容物をつまようじの先でツンツンしてバラバラにほぐして、プレパラートを作りました。
胃の内容物が何なのかを観察できるように、実験参加者の人数分の顕微鏡をセッティングしました。
解剖の前に、煮干し(カタクチイワシ)のからだのつくりについて説明をします。
保護者の方も子どもさんと一緒になってのめりこんではりました。
カタクチイワシの口にある歯のかわりにある白いブラシみたいなものを「さいは」と言います。
内臓をすべて取り出せたら、どこに何があるのかを一つずつ確認します。
顕微鏡をのぞいてみると、煮干しが食べていたものが見えて、より一層楽しくなります!
となりで見ている大人の方もやりたくなってがまんしきれずに、思わず手が伸びてしまいます。
やさしい白衣のお姉さんたちが横について、丁寧に指導させてもらいます。遠慮なく何でも聞いてくださいね。
ホワイトボードに図を描いて解剖のコツやポイントを説明しました。
短い時間の中で解剖して観察して体の構造を確認して、と、やることがめっちゃ多いので、手を動かしたり顕微鏡をのぞいたり、作業をしながら説明を聞いてもらいました。
午前の部終了。
午後の部が始まるまで、控え室でお昼休みです。
豊中市教育センターの入口には私たちの実験のことが大きなモニターに映っています。
募集開始後すぐに定員に達したそうです。うれしい反面、もっとたくさんの人にもやってもらえたらよかったなぁ、と思いました。
雲が多いけど、なかなかいいお天気になりました。
蛍池での実験教室のときはいつもお天気が悪い日が多かったのですが、めずらしく晴れました!
午後からは、中学生が前に出て説明をやってみようということになりました。
中学生が緊張して説明に戸惑っていると、高校生がすかさずフォローに入ってくれました。
だんだんと中学生も慣れてきて、ホワイトボードを使って説明できるようになりました。