塩素よりも熱湯

  • 今回もオオカナダモを使った実験です。水温を30℃と室温(15℃)の2種類で、かつ、それぞれの水に重曹(炭酸水素ナトリウム)を入れるか入れないかの2×2の4種類の水溶液の入った試験管を用意し、さらにその実験を2セット分作り、合計8本の試験管で光合成の実験を行いました。8本の試験管に同時に光源装置でだいたい同じような強さの光を20分ほど当ててみました。すると、水温の違いはあまり関係なく、重曹を入れた試験管でのみ泡が出る反応がありました。

新しい試み

    1. 前回は水溶液中にストローで息を吹き込むことで二酸化炭素を入れたのですが、今回は重曹を加えることで炭酸イオンを補いました。だから、BTBを水溶液に混ぜると前回は黄色から青色に変化しましたが、今回は最初から青色で変化無しでした。
    2. 光合成させた後、脱色させてヨウ素液でデンプンの有無をさせるのですが、今回は塩素ではなく熱湯につけて脱色することにしました。塩素につけると葉緑体の緑色は消えるのですが、ヨウ素液とあまり反応せず、紫色があまり観察されませんでした。ヨウ素液が反応するためには脱色することよりも細胞壁をやわらかくして細胞内にヨウ素液が入り込むことの方が重要であるらしいので、光合成させた葉っぱを熱湯で煮沸してみました。少し色は落ちましたがまだ緑は残っていました。しかし、十分に煮たのでフニャフニャになっています。煮ると細胞壁がやわらかくなって、ヨウ素液が染み込みやすくなるみたいです。実際に、ヨウ素液を反応させてみると、葉っぱほぼ全体が黒く色づきました。
    3. 水槽からオオカナダモの葉っぱを数枚とって、そのうち半分はそのまま、残った半分は20%ショ糖水溶液にしばらくつけてからそれぞれ顕微鏡で観察してみました。すると、前回よりも明らかに細胞の中身に違いが生じました。そのままのものは細胞内の葉緑体がバラバラに存在しますが、砂糖水につけていたものは細胞内で細胞膜がぎゅっと縮んでその中にある葉緑体も集まって丸いかたまりになっていました。地味ですが、明らかな違いが確認できてうれししかったです。



高2の北海道修学旅行のお土産です。
今年はロイズのチョコレートでした。



実験準備完了!



順番がバラバラにならないように試験管立ての端から順に並べていきます。
BTBも入れておきました。



光源装置できれいに照らされています。



泡が出る試験管4本だけを残して実験を続けました。



光合成させたオオカナダモを煮ます。
何ともいえないにおいが立ちこめました。



顕微鏡で原形質流動、原形質分離、ヨウ素デンプン反応の葉っぱをそれぞれ観察してみました。
地味だけど、このおもしろさをいかにして伝えるかが腕の見せ所ですねぇ。



原形質分離状態で、葉緑体が集まって丸いかたまりになっています。



ヨウ素デンプン反応で濃い紫が葉っぱの中に観察できます!